RSS | ATOM | SEARCH
自分史制作での聞き取り執筆代行について

聞き取りによる自分史の執筆代行を初めて3年ほど経ちます。2ヶ月間で4,5回の聞き取りをし、テープ起こしを元にして原稿案を作り、著者と相談しながら完成させていくものですが、今後は、すべての原稿を代行する業務は休止することにしました。

 

理由は、開業以来著者にご案内してきた「自分史作りを通して得られる意義と効用」が、ほとんどない本になる可能性があるからです。

 

自分史作りは、過去の日々を振り返ることで、忘れていた希望や夢を思い出す良さがあります。そして関わった人たちから受けた思いに気づく感謝の体験が得られたり、本当にやりたかったことができたかどうかを検証することができます。しかし、自分史をすべて他人が代行すると、著者は「過去の日々から自分自身の心の奥深くを見出し、今後の人生の灯を見出す」体験が得にくいようです。

 

執筆を代行すれば、整った文章にはできますが、著者の話から、他人が過去の出来事を表面的になぞらざるをえないため、著者にとっては、うれしい体験の部分は読んで心地よくても、つらかったりくやしかった体験の文章は、いくら他人が聞き取って文章にしても、著者本人は満足が得にくいことがあるようです。その結果、聞き取り期間が過ぎても話し足りない思いにとらわれ、聞き取りの終わりを決断できなくなったり、うらみとくやしさの体験ばかりが連鎖的に思い出され、どこまでいっても満足できないということもあります。一旦そうなると、本が完成しても不満が残り、家族間のトラブルに発展するケースが、ごくまれにですがあります。

 

自分史執筆とは、一文字ずつ自分自身で執筆することにより、無から有を生む創作活動です。生み出す作業からは、大変な分、得られるものは何倍にもなります。自分史作りの本来の良さを追求するためには、ご自身の執筆はかかせません。

 

東京創作出版では、自分自身で執筆する著者に限り、補足的な聞き取り代行をお受けしていくこととし、思うように書けない著者には、執筆のアドバイスや添削指導を行う方向で、完成までサポートしていきたいと思っております。

author:編集者紹介, category:自分史, 18:43
-, -, - -